元参議院議員 田中しげる

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[会議録]田中茂 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会(参議院) 2015年9月2日
会議録 2015/09/02

189-参-我が国及び国際社会の平和安全…特別委員会-15号-2015年09月02日-初版

田中茂君

日本を元気にする会・無所属会の田中茂です。

今日は、安保法制を通してシームレスに世界規模で米軍や友好国軍をサポートできるようになり、日米同盟と日本の国際的立場は強化される、その結果として日本の抑止力が高まると、そう期待しておる次第であります。

そこで、日本の独自の自衛隊の活動、これを、リージョナル、東シナ海、サブリージョナル、南シナ海、グローバル、IS、中近東方面なんですが、分けた場合、このリージョナルである東シナ海こそ我が国においては死活的国益に関わる地域であると、そう思っております。

具体的には、朝鮮半島有事、中国に対する尖閣諸島を含む南西諸島防衛の問題、さらには天然ガス田の海洋プラットホーム建設問題、そして台湾有事等々、大きな喫緊の事例があるわけでありますが、今日はリージョナルに絞って、また安保条約について若干質問をさせていただきます。

朝鮮半島有事、これは休戦中の朝鮮戦争再開か、又は北朝鮮崩壊に関して、米国は、米軍は、作戦計画、OPLAN五〇二七、OPLAN五〇二九、OPLAN五〇三〇などを作成していると聞いておりますが、その際には、当然ながら北朝鮮による機雷の敷設が考えられます。

そこで、北朝鮮が公海上に機雷封鎖をした後、米国から日本に対して機雷除去の依頼があった場合どう対処するのか、お聞かせいただきたいと思います。

国務大臣(中谷元君)

まず、現行法でありますが、どのような場合に機雷除去を実施するかについては、個別具体的な状況により判断をするということでありまして、一概に申し上げることは困難でありますが、その上で一般論として申し上げれば、お尋ねの公海上の機雷、これが外国による武力攻撃の一環として敷設をされているものではないと認められる場合には、海上自衛隊は自衛隊法第八十四条二の規定に基づき、我が国の船舶の安全確保のために当該機雷を除去することが可能でございます。

一方で、外国により武力攻撃の一環として敷設された機雷を除去する行為は、敷設国に対する武力の行使、これに当たります。

そのため、当該機雷が我が国に対する武力攻撃の一環として敷設されていると認められる場合には、自衛隊法第七十六条に基づく防衛出動の発令を受けて当該機雷を除去することになります。

他方、外国により他国に対する武力攻撃の一環として敷設をされ、かつ我が国に対する武力攻撃の一環とは認められない機雷を除去することは、現行の法律の下ではできません。

田中茂君

この機雷敷設、ホルムズ海峡で機雷が敷設された場合にはどうするかということで、その場合には存立危機事態ということで集団的自衛権も行使されるかもしれないと。

これは、先ほども言いましたように、この周辺事態というのが我が国にとっては一番の重要な地域であります。

その中での公海上で何らかの形で敷設、そういう存立危機事態という、こういうことはホルムズ海峡以上に関係がしてくると、私はそう思っておりますので、その辺、十分に考えて対応をしていただきたいと、そう思っております。

次に、一九九四年に米国が法的根拠もなく北朝鮮を攻撃しようとしたケースがありますが、それではなく、北朝鮮が韓国に侵攻した場合は重要影響事態を認定するのか。

また、現状ではなかなか難しいかもしれませんが、韓国から日本に対して集団的自衛権の要請、同意があった場合、日本は新三要件と合致すれば存立危機事態として集団的自衛権を韓国にも適用するのか。お聞かせいただければと思います。

国務大臣(中谷元君)

今回、平和安全法制、これは特定の国又は地域を念頭に置いたものではなくて、また、ある事態が重要影響事態又は存立危機事態に当たるかどうかにつきましては、実際に発生した事態の個別具体的な状況によるために、御質問のような限られた案件だけで判断することはできませんが、あくまでも一般論として申し上げますと、仮にその事態の規模、態様、推移等を総合的に勘案をいたしまして、個別具体的な状況に即して我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に該当すると判断される場合には、重要影響事態法に基づいて自衛隊は米軍等に対する後方支援を行うことが可能であります。

また、我が国と密接な関係にある他国は、あらかじめ特定されるものではなくて、武力攻撃が発生した段階において個別具体的な状況に即して判断されるものでありまして、その上で新三要件を満たすこととなれば、我が国として限定的な集団的自衛権を行使することが可能となります。

なお、特定の国名に対する御質問でございますが、これにつきましては、あえて特定の国の国名を挙げて判断をするという答弁につきましては差し控えさせていただきたいと思います。

田中茂君

朝鮮半島有事というのは極めて可能性が高い。

実際問題、休戦状態であるわけです。

そういう中で、仮に何らかの形でそういう紛争があった場合にどう対応するかというのは極めて重要なポイントでありまして、そこで韓国の同意がなければ実際問題その韓国の領土に行けないということになると、これは極めて重要な問題になるんではないかと、そう思っておるわけです。

例えば、米国の基地、実際問題、韓国内における米国基地が何らかの攻撃をされて、そして日本にその要請をした場合、でも、韓国には入れない、韓国の同意がなければ入れないということになると、これは大変な問題になるわけです。

そういう意味では、韓国領土内での軍事的行動及び邦人救出行動について、韓国からの要請、あとは合意というのが極めて重要になると、そう思っておりますので、今後とも、韓国との関係はどういうふうに持っていくのか、これは極めてセンシティブな問題だとは思うんですが、是非ともその辺は詰めていただくようにしておいていただきたいと、そう思っております。

次に、平時において尖閣諸島近海の、近辺の公海上を含めて日本海で、日中間に、つまり中国海軍と日本の海上自衛隊との間に紛争が勃発した場合には米軍の集団的自衛権行使はあるのか、お聞かせいただけませんでしょうか。

国務大臣(岸田文雄君)

済みません、今、幾つか条件をおっしゃいました。

いま一度ちょっと確認しなければなりませんが、この集団的自衛権の行使、我が国の場合は限定された集団的自衛権ではありますが、これは、あくまでも新三要件に該当した場合、個別具体的に状況をしっかり把握した上でこの新三要件に該当するかどうか、これのみによって判断することになると考えます。

田中茂君

私が質問したのは、尖閣諸島近辺の公海上で、それを含めて日本海海域で、例えば日中間に、つまり中国海軍と日本の海上自衛隊が何らかの形で紛争が勃発した場合には米軍の集団的自衛権行使は、私は、当然もうその場合には紛争になるわけだからあるとは思うんですが、新三要件を含めて、それは必要なんでしょうか。

その辺をお聞かせいただけませんでしょうか。

国務大臣(岸田文雄君)

公海上において御指摘のような事態が発生した、その際に集団的自衛権の行使等が考えられるかという御質問でありました。

まず、御質問の前提が公海でありますので、日米が共同して対処する日米安全保障条約につきましては日本の施政下にある地域に限定されますので、公海ということになりますと、それには該当しないということになります。

公海において事態にどう対処するか。

これは、まさに我が国としまして、憲法との関係において新三要件に該当するかどうか、それをしっかり判断した上で、集団的自衛権を行使する場合に当たる、当たり得るかどうか、しっかり判断することになると考えます。

田中茂君

今大臣が施政下ということで言われましたので、その点についてちょっとお聞きしますが、尖閣諸島なんですが、オバマ大統領を始め米政府、米議会は、尖閣諸島に対しては、日本の施政下にある限り日米安全保障条約第五条が適用されると、これも述べておりますが、非常に頼もしくも聞こえるんですが、一方、主権をめぐる対立では特定の立場を取らないと、領有権ではあくまで中立の立場を取っています。

そこで、日米安保条約第五条では、日本国の施政下にある武力攻撃があり、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危機に対処するとあるわけであります。

したがって、一旦、尖閣諸島が中国の民兵や漁民などの実質的な支配下に置かれた場合、米国は介入しないということを意味するのでしょうか。その辺をお聞かせいただけませんでしょうか。

国務大臣(岸田文雄君)

まず、御質問は、日米安全保障条約五条は日本の施政下にある領域に適用されるという点につきまして、まず、尖閣諸島そのものは歴史上も国際法上も我が国固有の領土であり、現に我が国が有効に支配をしている、よって我が国の施政下にありますので、この日米安全保障条約五条、これは尖閣諸島にも適用されます。

そして、質問の趣旨は、要するに施政下から外れた場合に日米で共同で対処するのかどうか、これが質問のポイントであると承知いたしますが、我が国は、我が国の領海、領空、領土、これはもう断固として守り抜く、これは当然のことであります。

よって、御質問のように、我が国の施政下の領域が他国に占領され、それを甘受するかのごとき前提について、こうした公の場で私がお答えするのは適切ではないと思います。

そういった状況が起こらないように、発生しないように我が国として平素からしっかりとした対応をしなければならないということでありますし、またアメリカとの関係においても、これは一般論として、そして特定の国や個別具体的なシナリオを念頭に置いているわけではありませんが、日米両国はこれまでも島嶼防衛に関する訓練を実施しているわけでありますし、また平素から、武力攻撃に至らない侵害への対処も含めて日米間でしっかり連携をしているということであります。

これは全て、こうした御質問のように、我が国の領土が施政下から外れるようなことを起こしてはならない、こういったことで取り組んでいることであります。

このように、断固として我が国の領海及び領空、領土は守り抜く。

他国に占領され、施政下にある領域が他国に占領されることを甘受するがごとき前提については、お答えするのは控えたいと存じます。

田中茂君

施政下を外れるのを甘受するわけではなくて、そうなった場合のことを聞いているのでありまして、当然ながら、我々、自主防衛としてそこを守るという気概は必要だと思います。

この自主防衛の気概がなくして次の安保法制というのはできないわけでありまして、ただ、予防としてそういうのは考えておくのは必要だと思っておりますので、今ここでまた質問すると長くなるのでまた次の質問にさせていただきますが、日米安全保障条約について質問させていただきます。

日米安全保障条約第六条には、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。」、いわゆる極東条項であります。昭和三十五年、ベトナム戦争が始まる年ですね、多分ベトナム戦争が念頭にあったんでしょう。

極東の範囲として政府は、フィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域であって、韓国及び中華民国の支配下にある地域、台湾地域もこれに含まれていると統一見解を出しております。

そこで、確認ですが、このフィリピン以北は南シナ海を含むということでよろしいのでしょうか。

また、このフィリピン以北とは、フィリピン全体を含む以北ということなんでしょうか。お答えいただけませんでしょうか。

国務大臣(岸田文雄君)

まず、御指摘のように、極東の範囲につきましては、昭和三十五年の政府統一見解において示されているとおり、大体においてフィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域である、このようにしています。

そして、御質問は、まず南シナ海が入るのか、それからフィリピンが入るのか、二つだったと思います。

まず、これはフィリピン以北とありますので、これはフィリピンは含まれるというのが従来の我が国政府の考え方であります。

そして、それ以上は、従来から特定の地名を挙げてこれに当てはめを行うということは行っておりません。

よって、こうした場で南シナ海が入るか入らないか、こういったことを申し上げることは控えるべきであると考えます。

その部分については、お答えするのは困難であると考えます。

田中茂君

今、大臣、それじゃ、これはフィリピン全体を含んだ以北ですね、そういう解釈でよろしいんですね。

国務大臣(岸田文雄君)

フィリピン自体は全体が含まれると認識をしております。

田中茂君

昔、ベトナム、七〇年安保当時の解釈だと思うんですけど、台湾とフィリピンのバシー海峡、それ以北という解釈があったと思うんですけど、そうじゃなくてフィリピン全体を含んだ以北ですね、それでよろしいんですね。

国務大臣(岸田文雄君)

そのとおりでございます。

田中茂君

次に質問させていただきますが、一九九五年、時の村山首相が安保条約はアジア太平洋の平和と繁栄のコーナーストーンであると述べ、その後、さらに、橋本・クリントン日米安保の再定義、日米安保共同宣言でアジア太平洋という概念が入ってきたわけであります。

すなわち、アリューシャン列島から湾岸地域に至る平和と繁栄、紛争防止の抑止力、その地域のバランス維持としての米軍の軍事力が機能していることを意味すると考えております。

米韓相互防衛条約、米国、フィリピンの相互防衛条約、共に太平洋地域をその適用範囲ともしております。

そこで質問なんですが、今回の重要影響事態法は、極東以外にも米軍とともに活動する自衛隊の範囲が増えるわけであります。

そこで、日米安保条約の第六条の改定が必要となるのではないかと思うんですが、その点の見解を、もう時間が来ましたので、手短にお願いいたします。

国務大臣(岸田文雄君)

御指摘のように、重要影響事態安全確保法、これは日米安保条約が中核となりますが、それに限られるものではないとしています。

しかしながら、日米安全保障条約そのものについては全く改定する必要はないと考えております。

田中茂君

時間が来ましたので、質問は終わりにします。

ありがとうございました。

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