アントニオ猪木さんが、10月1日、心不全で亡くなられました。享年79歳。
　謹んでお悔やみ申し上げます。

　猪木さんとは短い期間でしたが、参議院議員として同じ会派に所属したことがありました。国会以外では、東京にあるブラジル料理店で、3、4回ほど偶然にお会いしたことがあり、その時の印象のほうが強く記憶に残っています。
　私にはブラジルのサンパウロ在住の友人がいますが、彼は猪木さんの弟を知っているとのことです。私自身もブラジルには何度か訪れたことがありますが、13歳でブラジルに渡りサンパウロ近郊に住んでいたという猪木さんに、何となく親近感を持っていました。

　あるとき、前述のブラジル料理店の前でばったり会い、猪木さんの有名な「元気ですか～?!」の丁寧バージョンで「お元気ですか？」と挨拶されました。もちろん大声ではなく…。私の事務所、中曽根事務所のスタッフとその他数人と一緒に店を訪れたときも、猪木さんと鉢合わせをして記念写真を撮らせていただいたこともありました。
　猪木さんはプロレスのスタイルから、またキャッチフレーズの「燃える闘魂」から、熱血漢のイメージに溢れていました。話すときも熱く語るのだろうと思っていましたが、全く違って、物静かに淡々と話をされました。私にとっては親しみやすい先輩でした。

　昭和に輝いた大きな星がまたひとつ、戦い終えて消えてしまいました。しかし、アントニオ猪木の闘魂伝説は、モハメド･アリとの真剣勝負を始め、末永く語り継がれることと思います。