○田中茂君
みんなの党の田中茂です。
今回の日中首脳会談は、二〇一一年の野田首相、まあ首脳会談といいましても国家主席ですね、二〇一一年の野田首相との会談以来であり、安倍政権になってから初めてでありました。
この三年、冷え込んでいて打開のめどが立たなかった日中関係、固く閉ざされていた貝を開くような一つのきっかけになったことは理解しております。
どんな場合でも、まず相手とフェース・ツー・フェース、顔を突き合わせて話をすることが相互理解やコミュニケーションの第一歩であると私も考えております。
がしかし、幾つかの深刻な問題点を残したのではないかと私自身思っておりますので、その点について質問をさせていただきます。
まず第一点ですが、この十一月七日に発表された日中関係の改善に向けた話合い、いわゆる四点合意と十日に行われた日中首脳会談との関連性について質問させていただきます。
本文書の位置付けについては先ほど来お話がありましたように、基本的な認識としては、国際法上の履行義務の生じる国際約束、すなわち狭義の外交文書ではないと思いますが、本合意文書には日中双方で発表されている和文、先ほどおっしゃった中国文と、さらに英文の表現にそれぞれ微妙な違いがあります。
その解釈ないし解釈に基づく行動の是非を巡って後々新たな問題が生じると私自身強く懸念しております。
そこで第一に、本合意文書の外交上、日中関係上の位置付けについて御説明をいただけませんでしょうか。
また、こうした合意事項は、普通は外相会談や首脳会談後のファクトシート、合意文書として公表されるのが定例でありますが、なぜあえて日中首脳会談以前に発表されたのかについて御説明もお願いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君)
まず、これまでも繰り返し述べてまいりましたが、日中間においては隣国であるがゆえに様々な問題が存在いたします。
そして、こうした問題があるからこそ直接対話が重要であると申し上げてきました。
そして、世界第二と第三の経済大国がしっかり対話をするということ、関係が安定するということ、これは両国の国民にとって利益であるのみならず、地域や国際社会にとって大きな利益であるという考えにも立ってきました。
こうした認識に立って、両国の外交当局間で静かな話合いを続けてきた結果、この日中双方の意見の一致できるものについてまとめて公表するということに至った次第であります。
タイミングについては、この四項目としてまとめることができたので、その御指摘のタイミング、十一月七日のタイミングで発表することといたしました。
これは決して首脳会談、外相会談のために発表したというものではありませんが、環境整備という意味においては大きな意義があったのではないか、このように考えているところであります。
○田中茂君
この会談前に公表されたというのはある意味意義があったのではとおっしゃっていますが、これ、朝日新聞がちょっとこの件について書いておりますので、この件は後で私質問させていただきます。
次の質問なんですが、七日の岸田外務大臣の会見及び同日の植野中国課長の記者ブリーフでは、本合意は首脳会談を実施するための条件ではなく、APECのために合意を急いだわけではないと説明されていることは承知しております。
がしかし、中国は以前から、日本側が、主要閣僚が靖国参拝しないこと、そしてもう一点が尖閣諸島における領土問題の存在を認めること、この二点を首脳会談の条件として執拗に主張してまいりました。そういう経緯があります。
にもかかわらず、今回中国側が首脳会談に応じたということは、中国側が条件につき譲歩したという解釈でよろしいのでしょうか。
それとも、合意文書内にあえて解釈の幅を残すことで中国側の条件を日本側がのんだということなのでしょうか。
お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君)
今回の四項目の発表につきましては、日中両国の間で関係改善に向けて現時点で一致していることについてまとめ、そしてそれを発表したというものであります。
よって、我が国の立場、考え方、従来から全く変わっておりませんし、その部分についてこの公表の中で何か触れているというものではありません。
これは、今回、この発表において、この会談の前提として何かを譲ったとか立場を変えた、こういったことは全くないということは確認しておきたいと存じます。
○田中茂君
この点でまた執拗に質問しても同じような回答が来ると思いますので、この辺でやめておきますが、四点合意の第一項にある「四つの基本文書」に関する確認をさせていただきたいと思います。
これは単なる確認ですので。
基本的な確認として、この第一項でうたわれている「四つの基本文書」というのは、一九七二年の日中共同声明、一九七八年の日中平和友好条約、一九九八年の日中共同宣言、さらに二〇〇八年の 戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明の四つを指すということでよろしいんでしょうか。
○大臣政務官(宇都隆史君)
事実ベースでそのとおりでございます。
なお、この四つのうち唯一法的な規律として国際約束の法的拘束力があるのが、二つ目の平和友好条約のみでございます。
○田中茂君
ありがとうございます。
次の質問として、四点合意の第二項、「双方は、歴史を直視し、未来に向かうという精神に従い、両国関係に影響する政治的困難を克服することで若干の認識の一致をみた。」とあります。
この四点合意の第二項には気になる記述が私としては二点ありますので、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
一つ目は、「両国関係に影響する政治的困難」という記述であります。
言うまでもなく、現在の日中関係には、尖閣諸島の問題、靖国問題やアカサンゴを狙った違法漁民の複数の問題等あります。
これらの諸問題のうち、「両国関係に影響する政治的困難」とは具体的に何を指すのか、お聞かせいただきたいと思います。
あるいは、意図的に具体的問題を列挙、表記するのを避けたのだとすれば、その意味するところはどこなのか、御説明をお願いいたします。
○大臣政務官(宇都隆史君)
この四点合意の二項目めにございます「政治的困難」という意味、具体的なということをおっしゃいましたが、これは特定のテーマ、問題を指しているのではなく、日中間における全ての政治問題を意味しているものと理解をしております。
○田中茂君
この件もある程度は想像は付くと思うんですが、二つ目の若干の意識の一致を見たという表現でありますが、ここで単に認識の一致とするのではなく、あえて「若干の」という一言を加えた意図はどこにあるんでしょうか。
言い換えれば、若干の認識の一致があるならば認識の一致がないところはどこなのか、教えてください。
○大臣政務官(宇都隆史君)
この若干の一致を見たというところの御説明をさせていただきますが、日中間には、先ほど委員もおっしゃいましたように、様々な政治的な困難が横たわっております。
それを克服すること、お互いの考えも違うところで容易ではないということは認識しているんですが、あくまで、それにお互いに取り組んでいく上で基本的方向性や姿勢、例えばお互いに戦略的な互恵関係の原点を見据えた上で対話を通じながら解決をしていくといった、そういう姿勢については一致しているところもあるという意味でございます。
○田中茂君
四点合意の第三項なんですが、双方は、尖閣諸島、東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し、対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐとともに、危機管理メカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避することで意見の一致を見たとなっております。
今年は第一次世界大戦勃発から百周年を迎えます。
それもあってか、尖閣諸島をめぐる日中間の緊張状態が依然として継続する中で、アジアの地域各国はもとより世界中の国々が、日中両国のにらみ合いが偶発的に衝突する、そのエスカレートすることを強く懸念していたと私思っております。
そうした中で、四点合意の第三項において危機管理メカニズムの構築を明記し、さらにその推進を首脳会談で確認したことは、これに関しては大きな意義はあったと思っております。
しかし、その一方で、合意文書の第三項は、その解釈につき議論の余地がある書きぶりがなされているのは、今日午前、午後と皆さんの質問で言われているとおりであります。
植野中国課長は七日の記者ブリーフにおいて、第三項にある異なる見解とは、その前文である尖閣諸島、東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについての異なる見解であって、領有権問題についてではない、尖閣諸島に対する日本の立場に変わりはないと説明されております。
十一日には岸田外務大臣も、領土問題は一切存在しないという認識は変わらないと。
先ほど来、同じことをずっと繰り返されていると思います。
しかし、異なる見解とは、中国が昨年十一月に尖閣諸島を含む東シナ海上空に防空識別圏を設定した問題などを挙げて、そうした課題において緊張状態があるとも述べられております。
それに関しては理解できますが、中国側は同じようには理解していないと、私はそう思っております。
現に、在日本中国大使館大使の程大使、ホームページによると、岸田外務大臣の発言に対して早速、日本側の関連発言に対して、厳重な関心と不満を表しますと、そのように述べておられます。
確かに、我が国の外務省が発表している合意文書は、素直に読み解けばそのような解釈になるのは理解しております。
外務省の発表の英文の表現なんですが、これは、「recognized that they had different views」であります。
和文とほとんどこれは相違ありません。
しかし、中国外交部が発表している合意文書の英文は、「acknowledged that different positions exist between them regarding the tensions」となっております。
日本側が使っているレコグナイズは単なる認識を表していると思いますが、中国側が用いているアクノリッジは認めるという意味であります。
すなわち、中国側の英文表記では、中国側が主張している立場の違いを認めたと読めるようになっております。
これは単なるニュアンスの違いではありません。
今後の文言解釈に関わる大きな不一致ではないかとも思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(岸田文雄君)
これ先ほど申し上げましたように、今回の発表については、日中それぞれが日本語とそして中国語によって発表しています。
英訳についてはそれぞれ仮訳を行ったということでありますので、英文については何らすり合わせはしておりませんが、今回のこの発表、第三項目めの内容につきましては、東シナ海のこの海域において近年緊張状態が生じている、このことについて異なる見解を有している、こういった認識を示したものであります。
このことについては、日中間ですり合わせを行って、こうした発表を行った次第であります。
そして、御指摘の中で、中国大使館の反応について御指摘がありましたが、これは、私が記者会見の中で改めて我が国の立場についてと発言をいたしました。
領土問題が存在しないという、その我が国の立場を改めて確認したことについて発言されたのではないかと受け止めております。
ですから、この文書そのものに対する反応ではないと認識をしております。
○田中茂君
中国大使館の程大使のホームページはその後の文書もありまして、主権に対する我が国の強い不満だと、そういうふうにおっしゃっておりました。
先ほど大臣おっしゃったんですが、英文については余り関心がなかったように思われますが、これは極めて大事なポイントでありまして、この英文を通してアメリカも各国もその文書を見ているわけであります。
その点についても後で私、御質問しますので、次に質問させていただきたいと思います。
先ほどのこの件についても質問なんですが、今回の四点合意は狭義の外交文書ではないということで、法的拘束力もなければ、双方に共通する英文、正文も作成されておりません。
ゆえに、本合意文書には、日本外務省が作成した和文、英文と、中国外交部が作成した中国語と英文の四つが存在し、双方の英文表記は統一していないわけであります。
そのため、日中双方の英文表記の不統一を原因として、文書解釈の余地、曖昧性が残されており、それを基に中国側は今後不当な領有権主張を行ってくることが懸念されますし、当然だと、そう思っております。
このような懸念が容易に想像できるにもかかわらず、なぜ当局間で正文を詰めるという作業をしなかったのか、お聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君)
今回の発表そのものについては、日中間でしっかりすり合わせを行った上で日本語と中国語で発表をいたしました。
内容についての理解は、先ほど御説明申し上げたとおりであります。
ただ、この英文について、それぞれが仮訳を行っているということについて御指摘をいただきました。
その点につきましても、国際社会に対しまして引き続きしっかりと誤解のないよう説明はしていきたいと思います。
○田中茂君
ありがとうございます。
ただ、今、国際社会にしっかりと説明していくとおっしゃっていますが、現に国際社会はほとんど中国側の言い分を載せております。
まあ、それは後でまた説明しますが。
くしくも十一月十一日付けの朝日新聞によれば、首脳会談に先行して事前合意文書をまとめているというアイデアは中国側から提起されたものと報道されています。
これが事実であれば、文書解釈の曖昧性を残すという中国側の戦略に日本側が乗せられたのではないかと、そう思うんですが、あるいは、あえて文書解釈の曖昧性を残すことで意義があるとすれば、それによって日本側にもたらされるメリットとは何であったか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君)
先ほども申し上げましたが、今回のこの発表につきましては、日中両国において、まず現状が大変厳しい状況にあるという認識の下で、関係改善に向けて努力を続けてまいりました。
そして、静かな努力を積み重ねてきたわけですが、その結果として、今現在、日中間で合意できる、一致できる点についてまとめた、これが今回の発表の意味であります。
この発表のタイミングにつきましては、先ほど申し上げましたように、両国間ですり合わせを行い確認ができた、そのタイミングで発表したということであります。
首脳会談、外相会談のために行ったというものではないということは確認しておきたいと存じます。
ただ、全体の環境整備という意味で大きな意味があったということは事実だと理解しています。
○田中茂君
中国メディアでは、今回の首脳会談について、日本側の求めに応じてやったと、そういうニュアンスの報道が多く、四点合意についても、日本はこれまで中国との釣魚島問題に関する話合いを一貫して拒絶し、主権に関する争いは存在しないと公言してきたが、四点合意によって新たな現実が形成されたと宣告するに等しいと表現されております。
これは一つの中国側のメディアであります。
多くの中国人民がこうした報道に触れて自らの領有権主張の正しさを、彼ら自身の正しさですね、正しさを再認識し、今後、尖閣周辺での領有権主張が一層激化する可能性が私は出てくると思っております。
さらに、海外メディアも、中国国営メディアの報道を多く取り上げております。
例えば、チャンネル・ニュース・エイジアという、これはインターネットでかなり多くのアジアの人に読まれておりますが、そこのメディアを通しても、中国の国営メディアは北京の勝利を主張したと報道しております。
外交なので、日本国内ではなく、他国を含め海外がどう見ているのか、極めて重要な視点であります。
海外メディアへの対応も極めて大切なので、この点で、先ほど来大臣おっしゃっていますが、日本の主張を広めるように徹底的に広報活動を行っていただきたいと思っております。
次の質問ですが、先ほど新たな現実があると中国のメディアでは言っておりましたが、尖閣周辺において中国船の侵入が常態化する、そのような新たな現実が継続するとするならば、APECに合わせ無理に首脳会談をすることはなかったのではありませんか、お聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君)
我が国は、従来から、隣国であるがゆえに日中間には難しい問題が存在いたしますが、問題があるからこそ直接対話が重要である、特に高い政治のレベルでの対話が重要である、こういったことを伝え続けてきました。
こうした我が国の考え方に立った場合に、今回、日中両国それぞれの政権ができてから初めてのトップ同士の会談ができたこと、これは歓迎すべきことであると認識をしています。
ただ、これはスタートであってゴールではありません。
そして、事実、おっしゃるように緊張状態は現実に存在するわけでありますので、これから今回の対話をスタートとして具体的な協力や対話の実績を積み重ねていかなければなりません。
そのことを一つ一つ積み重ねることによって両国関係を安定させる、こういった状況をつくり出していかなければならないと思います。
あくまでもスタートでありゴールではないということ、しっかり肝に銘じながらこれから引き続き努力をしていきたいと考えています。
○田中茂君
首脳同士が何度も何度も会うというのは極めて大事で、私もこの委員会でもその点については何回かお話しさせていただいたこともあります。
ただ、今回のこの件については若干ニュアンスが異なってきております。
というのはまた、日本政府側には今回、外的というか、米国ですね、あと内的には経済界、また今回総選挙を急に打ち出すことになられましたが、その件も含めて、APEC期間中に何としても日中首脳会談を実現させたいという思惑があり、四点合意はそうした時間的制約の中で急ぎ足でまとめられたものではないかと、そのように勘ぐることもできますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君)
先ほど申し上げましたように、我が国としましては、難しい問題があるからこそ、高い政治のレベルでの話合い、直接対話、意思疎通が重要だということを訴え続けてきました。
そして、この首脳会談のタイミングについて中国側と協議を行ってきたところであります。
話合いの過程で、首脳会談実現のタイミングとして北京でAPEC首脳会議があるということ、このことについては日中双方の念頭にあったということは否定いたしませんが、しかし、APECに合わせて無理に会談を実施したということは当たらない、そういった御指摘は当たらないのではないかと考えます。
○田中茂君
要するに、今回の四点合意と形式的な首脳会談は、日中双方が外交的勝利を宣言し得る曖昧性を残すよう意図されたものではないかと、私自身、そう考えざるを得ません。
無論、政策当事者らが、習近平さん、軍部、対日強硬派の圧力を受けておられます、そういう体制の中で若干巧みに双方の主張を織り込む、そういう解釈の余地を残す合意文書の作成に苦心したであろうということは想像に難くないと思っております。
しかし、そのような配慮によって中国側に更なる強硬的主張のための根拠を与えた可能性があることも否定できません。
その事実を謙虚に捉え、そうしたリスクを国民に対してきちんと説明しておくべきだと、私はそう考えております。
このようなリスクを真摯に説明しなければ、国民は、今回の首脳会談が、アベノミクスが必ずしも目に見える成果となっていない中で、中国との経済関係を回復したい日本経済界からの圧力と、先ほども言いましたように、今回の解散・総選挙を見据えた政治戦略ではないかと、そういうふうに思うのではないかと、そう思っております。
そこで、この首脳会談のタイミングにつき、与党内でどのような議論が行われたのか、お聞かせいただけませんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君)
こうした日中間の対話の重要性については、従来から政府としましても、度々、中国側、そして国内に対しても説明をしてきたところであります。
そして、日中の対話、こうした首脳会談の開催等について様々な努力を行ってきた、その経過につきましては与党に対して機会を捉えて説明をしてきた、これは当然のことであります。
こうした説明を行い、そして様々な関係者には議員外交を始め様々な切り口で御協力をいただいてまいりました。
民間交流など様々な形での交流を通じましても御協力をいただき、環境醸成につなげていただいたと感じております。
そうした多くの皆様方に御理解をいただきながら、今回、政府としまして、首脳会談、外相会談を実施した、こういった結果につながった次第であります。
○田中茂君
時間がないので、あと一点お聞きしたいと思います。
そもそもこの問題、北東アジアの戦略関係を踏まえれば、四点合意の作成と日中首脳会談の実現には、米国を説得し、目に見える形で関与させるべきではなかったかと、私そう思っておりますが、その辺、お聞かせください。
○大臣政務官(宇都隆史君)
最大の同盟国である米国に関してもこのアジアの安定というのは最大限の関心を払っているわけでありますが、恐らく委員の御指摘は、今回のこの四点合意あるいは日中首脳会談だけでなく、ちゃんと米国との歩調が合わせられているのかというような質問かとも受け取っておりますが、米国との間では日頃から様々な外交課題について緊密に連携をしていると
ころであります。
また、先日、七日に行われました日米の外相会談におきましても、岸田大臣の方からケリー国務長官に対して、最近の日中関係の状況、これを詳しく説明いたしまして、ケリー長官からは前向きなものとして評価する旨の発言があったところであります。
いずれにいたしましても、我が国といたしましては、国際社会及び地域の安定と平和のため、引き続き、日米同盟を基軸といたしまして、その強化に努めるとともに、中国との間では大局的観点から戦略的互恵関係を進めていく考えでございます。
○田中茂君
今まさに御答弁いただきましたが、この問題は、中国側は領土問題が存在すると認めたと解釈しているわけです。
その合意文書を、今おっしゃったように、ケリー国務長官は歓迎すると言っているわけです。
お互いの主張は言い合っていいです、お互いの解釈でいいです。
しかし、その合意文書、中国側は中国側の解釈も含めてのこの合意文書を米国は歓迎すると言っているわけです。
この合意文書に関しても、より戦略的に米国と詰める必要があったと私は考えております。
尖閣防衛のためにも米国を関与させるべきであったと強く主張して、私の質問は終わりにします。