○田中茂君
みんなの党、田中茂です。
まず、昨日ですか、沖ノ鳥島、最後の不明者が発見されたというニュースを聞いたんですが、あれは確かなんですかね。
今、身元を何か確認しているという話なんですが、もし仮にその行方不明者であれば、改めてお悔やみを申し上げたいと思います。
次に、韓国の、先ほどから質問皆さんやっていらっしゃいますが、韓国、大変な海難事故でありますが、多くの高校生犠牲になり、大変な惨事になりつつあると思います。
一人でも多くの方が救出されることを強く望んでおります。
また、日本においても、国交省の方で大型客船会社に対してかなり安全運航についての厳格な指示をされたとも聞いております。
ただ、今回、もうそろそろゴールデンウイークにもなりますし、そういう意味では交通機関全般にわたって安全管理、安全運行についての徹底を再度やっていただきたいと、そのように思っております。
それでは、質問させていただきます。
港湾法を一部改正する法案につきまして質問をいたします。
先ほど来から各委員の皆さんから質問がありましたが、極めて大事な点なので、もう一度私の方からも質問させていただきます。
災害時に対応するためのバックアップ体制であります。
及びBCP、すなわち事業継続計画についての質問をさせていただきます。
災害時に対応するための港湾相互及び被災地以外を含めた広域的なバックアップ体制の構築が急務であると考えられます。
特に阪神・淡路大震災により神戸港がその国際的地位を失う大きな要因となったところでありますが、首都直下型地震や南海トラフ地震など最悪のシナリオを考慮し、広域的なバックアップ体制の構築やBCP、事業継続計画の作成等が必要と考えますが、国の取組をより詳細にお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(中原八一君)
委員ただいま御指摘をいただきましたとおり、国際的な港湾物流戦略を進める上で災害時に備えた対策をあらかじめ講じておくことは非常に重要であると認識をいたしております。
阪神・淡路大震災によって世界における神戸港の相対的地位が低下をいたしました。
そうした教訓も踏まえ、国際コンテナ戦略港湾におきましては、岸壁の耐震化や免震ガントリークレーンの整備を着実に進めているところでございます。
また、昨年の港湾法改正に基づいて、災害時における港湾相互の広域的な連携を図るために、東京湾、伊勢湾、大阪湾の三大湾におきまして今年の三月に港湾広域防災協議会を設置いたしまして、災害時のシナリオや復旧に向けた役割分担、行動計画を定めた事業継続計画、BCPを策定していくこととしております。
このように国際コンテナ戦略港湾政策を進める上でも防災対策が重要であるとの認識の下、ハード対策のみならずソフト対策を含め、総合的な対策を進めてまいりたいと考えております。
○田中茂君
ありがとうございます。
ただ、京浜港、阪神港、共に過去に大きな地震があったところでもあります。
そういうところでまた再度こういう戦略港湾を造るということですので、何とぞ、南海トラフ地震があると言われておりますので、その辺を、明確なリスク及びクライシスマネジメントを徹底させるようにお願いしたいと思っております。
次に、質問させていただきます。
次の質問は、政府の出資に対する東京都の見解及び国際コンテナ戦略港湾政策への影響についてでありますが、先ほど広田委員の方から質問がありましたので、これは割愛させていただきます。
ただ、私の方から一言言わせていただければ、国際戦略港湾の競争力を強化するために、国、港湾管理者及び民間が三位一体となって構築を図る、そのようになっております。
そういう中で、仮に、現場の実態を熟知した東京都、そして、まさに現場の第一線で働く、活躍していらっしゃる方々の声も聞くと、そういうことは極めて大事だと思いますので、そういう形で、是非とも東京都が参画できるような形で、オールジャパンの体制で臨んでいただきたいと、そう考えております。
次に、質問は、政府出資と地方分権についてであります。
政府出資は、民の力の活用を掲げてきた方針や地方分権の視点から考えた場合にどのように整合するのか、港湾運営会社に対する政府出資についての見解をお聞かせください。
○政府参考人(山縣宣彦君)
お答えいたします。
平成二十三年の港湾法の改正で創設いたしました港湾運営会社制度は、港湾の管理と運営を分離いたしまして、株式会社方式による民の視点での港湾運営の効率化を図るものでございます。
具体的には、民間人社長の登用によります迅速な意思決定、民間資本の導入によります経営のチェック、民間の機動的な契約方式の導入などを目指したものでございます。
今回の国の出資制度は、こういった港湾運営会社の民の視点に関する基本的な考え方を変えるものではなくて、国、港湾管理者、そして民間事業者による強固な協働体制を構築することを目指したものでございます。
また、今回の国の出資制度は港湾管理者制度を何ら変更するものではございませんで、港湾運営会社についても、その業務の範囲を拡大したり法的に事業の性質を変化させるようなものではございません。
加えまして、国際基幹航路を維持拡大するための全国からの貨物の集約など全国的見地から取り組むべき課題につきまして、国の責任を果たす観点から必要なものというふうに考えております。
以上です。
○田中茂君
結果として港湾経営への国の関与が更に大きくなる可能性もあるので、その辺は懸念いたしますので、その辺バランスを取ってやっていただきたいと思います。
次に、国際戦略港湾の集貨と地方港湾等によるインセンティブ制度との整合性についてお尋ねします。
本法案の骨子は、集貨、創貨、港の競争力強化を三本柱の施策として、ハード、ソフト一体の国際コンテナ戦略港湾政策を加速させ、我が国に寄港する国際基幹航路の維持拡大を図ることとされています。
特に集貨は、京浜港や阪神港に広域からの貨物を集約する様々な取組、フィーダー輸送の強化等が行われているとのことですが、しかし、一部の地方港湾では、港湾管理者等による外航コンテナ船に対する港湾使用料の減免、あと当該航路を利用する荷主への財政的支援等のインセンティブ制度が設けられているという実態があったと聞いております。
この一部の地方港湾による外航航路へのインセンティブ措置は、逆に釜山港に日本海沿岸のフィーダー港としての機能を与え、釜山港が効率よく集貨する体制の確立に寄与したと言われております。
さらには、釜山港のハブ化に大きく貢献することにもなり、結果的には我が国全体の港湾の国際競争力の低下を招いた一因になったとも考えられますが、国交省の御見解をお聞かせください。
○政府参考人(山縣宣彦君)
お答えいたします。
近年、我が国の港湾におきましては基幹航路の減少が大きな問題となっておりまして、二〇〇〇年に週十便以上が寄港しておりました欧州向けの基幹航路、これが二〇一二年には週二便、二〇〇〇年に週三十便以上が寄港しておりました北米向けの基幹航路が二〇一二年には週二十一便になるなど、国際基幹航路の減少は大きな問題となっております。
この国際基幹航路の寄港地の決定におきましては、大型コンテナ船の寄港に必要な貨物量が確保されるかどうかが重要な判断基準になってございます。
国際コンテナ戦略港湾への集貨策を強力に推進していく必要がございます。
このような中、先生御指摘のように、地方の港湾におきまして、港湾管理者である地方自治体等が釜山航路を運航する船社あるいは荷主に向けまして補助金等のインセンティブを講じているということが国際コンテナ戦略港湾への貨物の集約を妨げる一因となっているというふうにも認識してございます。
このため、昨年の六月ですけれども、私の港湾局長の名前で、各港湾管理者宛てに、外航航路のみならず国際コンテナ戦略港湾向け集貨を担う国際フィーダー航路に対しても同等以上のインセンティブを講じてもらうように要請をしたところでございます。
さらに、国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会、この場でも、釜山港におけるトランシップされる貨物へのインセンティブ措置を廃止するよう、地方の港湾管理者に対して個別要請を行っているところでございます。
現時点において、要請に応じていただいた港湾も徐々に増加してきておりますけれども、引き続き国際コンテナ戦略港湾政策の意義あるいは必要性について地方の港湾管理者にも丁寧に説明を行いまして、国、港湾管理者が一体となって我が国の港湾の競争力強化を実現すべく取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
○田中茂君
ありがとうございます。
是非とも、国際フィーダー航路に対してのインセンティブ措置の強化を是非ともよろしくお願いします。
次に、国際戦略港湾と地方港湾との役割分担について質問いたします。
京浜港や阪神港では、港湾運営会社に対する集貨支援制度の創設等を行うことにより広域から貨物を集貨しようとしていますが、一方では地方港湾の貨物を奪う実態も懸念されます。
地方においては、地方港湾は地域経済を支える基盤となっており、外航航路の減少から地域経済の雇用にも悪影響を及ぼし、ひいては地域経済の衰退も懸念されます。
このような状況に陥らないためにも、国際コンテナ戦略港湾政策を推進する一方で、国際戦略港湾と地方港湾との役割分担について国交省はどのように認識し、対応を考えておられるのか、大臣からお聞かせください。
○国務大臣(太田昭宏君)
国際物流が大変劇的に変化する中で、アジアにおける港湾間の競争が非常に激しくなっています。
そこで、釜山や上海や香港、シンガポール以上に強い港湾を造ろうと、集中的に京浜、阪神というところで今議論をいただき、集中的に強化をしていこうということでありますけれども、あわせてバルク港湾ということも指定させていただいて、先般、小名浜では石炭を揚げるわけですが、これ水深を十八メーターということにしますと、一気に四割近く実は安く入るということにもなって、かなり違います。
それから、ついこの間は釧路も採択をして、ここは穀物です。
相当船荷というのは、私もそれまで余り知りませんでしたが、大きなものがまとめて入ると物すごく価格が安くなるということがあります。
また、それぞれの港湾が抱えている、金沢とか新潟とか日本海側もそうでありますけれども、そこに集積している工場とかそういうものの出荷という、非常に特徴がそれぞれの港湾にも、四海海に囲まれているゆえにそれぞれ特徴があるというふうに思います。
このコンテナの戦略港湾とともにバルク港湾、さらにはまたそれぞれの港湾が生き抜いていけるようにと。
私、三日前も愛知県に行きまして三河港と、ここも非常に特徴があるわけで、そこも岸壁を整理したりいろんなことをやらせていただくと大変喜ばれて、更に力を入れようということに現地が勢い付いているということにもなります。
それぞれのところに、私もできる限り赴いて、それぞれの役割を更に吟味して徹底的に支援をするということで頑張りたいというふうに思っているところです。
○田中茂君
大変分かりやすい説明ありがとうございます。
最後に、私の意見として言わさせていただきますが、釜山港がこれほどまでに発展を遂げた要因は、大型コンテナ船寄港のコストが安価なだけではなく、インフラ整備や釜山新港を自由貿易地域とするなど積極的な誘致政策や柔軟な税制措置等を含めた包括的な国家戦略を推進してきた成果でもあると思料いたします。
また、我が国のコンテナ取扱量は、京浜港、阪神港を合わせても韓国の釜山一港にも届かないというのが現状であります。
それを考えると、経営統合を図り、政府の出資をしたとしても、また、先ほど御答弁でもありましたが、釜山港に対抗してできるだけコストダウンを図ったとしても、もちろんそれは大事でありますが、それのみでは機動的な施策に直結し、対抗できるとは思えません。
港湾政策は五十年の計とも最終取りまとめにも述べられていますが、国家戦略としての位置付けを明確化した上で、将来を見据えて、釜山港の安価なコストにこだわることなく、日本独自の特殊性を考えるべきであると思います。
それは、今回の韓国での海難事故でも明らかですが、一つ事故を起こせば風評ダメージは極めて大きいものがあります。
だからこそ、日本の技術力を生かした、安心、安全かつ安定した迅速性と日本的なきめ細かいサービス、心配りのあるサービス等の様々な付加価値を提供し、競争力強化のための具体策とロードマップをいま一度明確化していただきたく強く要望し、私の発言を終わりにいたします。