○田中茂君
みんなの党の田中茂といいます。
今日は、三人の先生、お忙しい中御臨席賜りましてありがとうございます。
私は、皆さんいろいろお話しされていて、そもそもこの問題は笹子トンネルの老朽化に始まっているわけなんですが、そこで災害対策をする、そういう意味で、大規模更新、大規模修繕、これはお金が掛かることはもうよく分かっておりますので、皆さんの、お三人の考えもよく理解させていただきました。
そこで、石田先生と上岡先生にちょっとお聞きしたいんですが、できれば根本先生にもそうなんですが、先ほどのスマートインターチェンジの話なんですが、スマートインターチェンジの利点というか、先ほど先生は、思ったより少しお金が掛かると。
インターチェンジ、今さっき言いましたように老朽化が問題なのに、今ここでスマートインターチェンジをやる必然性があるのかと、そもそもがですね。
我々は今、老朽化に更にますます修繕、更新が掛かると思うんですが、そういうことよりもスマートインターチェンジを優先される理由は何なのか、それをお聞かせいただきたいのが一つと。
このスマートインターチェンジそのものが果たして将来的に価値があるものになるのか。
それはなぜかというと、都市再生、この間コンパクトシティーという発想をやりましたが、コンパクトシティーをやりながら、そもそもコンパクトシティーというのはなるべく低炭素で車を減らすべきではないかと、そういう話もあって、そういう中で何か矛盾があるんじゃないかと、地域再生の推進と。その辺のお考えをできればお聞かせいただければと思います。
○参考人(石田東生君)
どっちを優先すべきということは申し上げたつもりはないんですけれども、誤解を与えたようでございましたらおわびしたいと思います。
老朽化は非常に大切でございます。
それを更新をする、健全に次世代に引き継ぐということで今回の更新費用についての法律改正ができたわけでございます。
それとスマートインターチェンジのために必要なお金というのは今の形の上では別会計になっていると思いますので、そういうことにはならないかと思います。
スマートインターチェンジでございますけれども、先ほども申しましたように、やはりインターチェンジの間隔が長くて、いい資産であるところの高速道路が使いづらくなっているという、これは誠にもったいないことでございまして、推進すべきというふうに考えております。
そうすると、スマートインターチェンジの周辺にまた新たな土地利用が起こってコンパクトシティーに反するんじゃないかという御懸念でございますけれども、私はコンパクトシティーということに関して、必ず機能的なコンパクトシティーという言い方を私自身はさせていただいております。
物理的に移転を伴う、本当に中心部に集約するということをできればよろしいんでしょうけれども、本当にそれだけの財政負担ができるかどうかということと地球温暖化問題とか都市経営の問題を解決するための時間の切迫性ということを考えた場合に、物理的に移転をしてもらうということはなかなか難しいんじゃないのと、理想論としてはそうなんですけれども。
そこで、スマートシティーみたいな言い方をしますけれども、ICTとか新しい交通の在り方とかということで、人にも環境にも都市経営的にも優しい、できるだけ今の形でそういう新しい都市の在り方、交通の在り方というのを追求するということを機能的なコンパクトシティーと申し上げておりまして、そういう観点からすると、高速道路は環境にも、あるいは燃費も良うございますので、コンパクトシティーということには反することには必ずしもならないんではないのかなというふうに理解しております。
ありがとうございました。
○田中茂君
ありがとうございます。
○参考人(上岡直見君)
スマートインターについてということでよろしいでしょうか。
インターチェンジというのは、幾つか見方によって側面があると思いますが、一つは物理的な自動車が出入りするということと、もう一つはお金を取る場所という、いろんな意味があるかと思いますけれども、物理的な面で、例えばこれは防災等にも役に立つというような見方もあると思いますが、そうであれば、これはもう防災は非常時ですから物理的に突破できる構造にしておけばいいのであって、これは別に特にインターチェンジということの本質的な問題ではないというふうに思います。
一方、利用する側から見ると、現在使っている人に対しては、横から車が入ってくるということはある意味では効用の低下になるという面もありますし、もう一つは、インターチェンジということは、何がインターチェンジしているかというと、一般道とのアクセスですね。
それがあるからインターチェンジがあるわけでありまして、そういうことになりますと、スマートインターチェンジを造るのはいいですけれども、そこまでのアクセスはどうしているんですかという疑問もあって、これは一概にスマートインターは要らないというふうには思っておりませんけれども、ただその辺の人が便利になるからということでここにも穴を空けてくれということではちょっと評価が甘いのであって、もう少し慎重な評価が必要だというふうに思います。
○田中茂君
ありがとうございます。
○参考人(根本敏則君)
更新事業が重要か新設事業が重要かということでいえば、それは費用対効果の高い新設もあるだろうし、費用対効果の高い更新もある、そうじゃないものもあるということで、一概に更新か新設かということは判定は難しいと思います。
その新設の中で、スマートIC、スマートインターチェンジの新設というのは私は特に費用対効果が高いというふうに思っていますし、特に日本はまだ高速道路の分担率というのは低いんですね。
なるべく高速道路を使ってもらった方が日本道路全体の維持管理・更新費用も安くなると。大型車はなるべく高速道路を使って長距離を乗ってくださいというふうなことを促すためにも、インターチェンジの間の距離を短くして乗りやすくしてあげるということが日本の老朽化を防ぐという意味でも重要だということを申し上げたいと思います。
○田中茂君
ありがとうございます。
根本先生にもう一つちょっとお聞きしたいんですが、根本先生が、資料によりますと、国土学のアナリストの大石先生との対談で、司会者の方が、国民に対して、四十五年償還をぎりぎりで延ばすより、維持管理・更新有料というものを明確に出す時期に来ているのではないかというようなニュアンスで話をされたと思うんですが、その場合、根本先生のお考えとしてお聞きしたいんですが、どのような働きかけをして、どのように国民に納得してもらうことがよいと思われるのか、お聞かせいただけますか。
○参考人(根本敏則君)
先ほども答弁したところですけれども、やはり更新というものは非常に重要であると、金額的にも無視できないぐらいあるんだということが今回分かったわけですね。
十五年取らなければいけない。
ということは、維持管理有料ということで、維持管理費は少なくともずっと払い続けてもらわないとやはり難しいですよねというよりは、少し上乗せが必要になってきているといった中で、もうこれは税金では賄い切れないだろうということがよりはっきりしたと思うんです。
ですから、このタイミングというのは、こういう議論を始めて国民的な合意を形成するちょうどいいチャンスじゃないかなというふうに思った次第です。
○田中茂君
ありがとうございます。
ちょうど時間が来ましたので、私の質問はこれで終わりにします。どうもありがとうございました。